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2010年大晦日のうちに...<Bon Magique 未完成のイラストと。>

12月に入った頃、書籍らしき薄い小包が届きました。あれ?私がイラストを描いた本の見本誌かな?
...封を開けてみると、「Bon Magique」の文字。ボン マジックといえば、私がこの世で一番好きな
ジュエリーのお店。好きといっても、マッチ売りの少女(私は少女じゃありませんが...)よろしく、
うらやましそうに眺めるだけの、憧れのお店です。ジュエリーなんて持っていない、普通はあまり興
味もないのだけれど、ボン マジックのものなら話は別です。そのお店から、何が送られてきたのだろ
う??と同封された手紙を読むと...
さてこの度、昨年12月に永眠いたしました
ボン マジックのデザイナー 故・白井多恵子の
ライフスタイルを含めた世界観を表現した
ボン マジックブックを製作いたしました...
とありました。

2010年大晦日のうちに...<Bon Magique 未完成のイラストと。>_f0063645_1125527.jpg
知らなかった...
それも一年前のことだったとは。

知っていたとしてもどうしようもない
のですが、知らなかったことを後悔し
ました。

2010年大晦日のうちに...<Bon Magique 未完成のイラストと。>_f0063645_1164137.jpg
本を開くと、素敵な笑顔。

白井多恵子さんとは、一度だけお話したことがあるの
ですが...思い出はもっと前から。

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20年くらい前(?)
「ボン マジック」は当時、渋谷のファイアー通りにありました。ビルの半地下にある、こぢんまりと
したお店でしたが、一歩店内に入れば、そこにはパリを思わせるような華やか...だけどニュアンスの
ある色彩に溢れていました。樹脂製のアクセサリーが中心だったと思います。私が最初に買ったの
は、ローズ色のイヤリングでした。私が憧れた、アクセサリーはこうあってほしい、というイメージ
を一番すてきな形で具現化したかのようで、うっとりしてしまうお店でした。巷はパリ・ブームでし
たが、日本人が考えたステレオタイプのPARIS...みたいなものも多かった。けれど「ボンマジック」
には流されない、動じないセンスを感じました。
それが、白井さんのお店だったのです。
そのうち、「ボンマジック」のアクセサリーは美しい真珠や石を使ったものが置かれるようになって
平凡な若造にはおいそれと手が出せなくなりました。でも、それは心底洒落た美しいものでした。大
人の女が身につけるのなら、こういうものがいいなと憧れるような。
ボリュームがあるものも、そうでないものも、醸し出す雰囲気に透明感があって繊細でした。ヨー
ロッパの魅力とアジアの美しさが混じり合ったような、ゴージャスだけれど威張ったところがないも
の。
心のどこかに、いつも静かにボン マジックのジュエリーがありました。それは長いこと、心の底に静
かに置かれていました。
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2008年、松屋銀座の1階を歩いているときに、素敵な色がさざめき合っているコーナーが目に留まり
ました。急いで近寄ってみると「ネックレス ネックレス」というアクセサリーの期間限定のショップ
でした。浜田山にお店があるとのこと。松屋銀座で出合った「素敵な色」に再会したい一心で、浜田
山の「ネックレス ネックレス」に足を運びました。
そのときのことはこちらをご覧ください→●ネックレス ネックレス <その1>  
                  ●ネックレス ネックレス <その2/浜田山のお店へ>
お店のかたに、松屋銀座でどれほどこちらのアクセサリーに心躍らせたかをお話ししていたら、スタ
ッフのかたがまた一人いらして話に花が咲き...(私が一人で喋っていただけかもしれない)いただい
た名刺を拝見して、はじめてそこがボンマジックの姉妹店だと知ったのです。しかも、「ボン マジッ
ク」も渋谷から浜田山に移転していて、「ネックレスネックレス」のすぐ隣にお店があったのです。
目の前を通って来たのに、気づかなかったんですね。
その後、白井さんも出ていらっしゃって、「みんなで一緒にお話ししましょう」ということに。ほっ
とするおいしいお茶とともに、様々な話を伺いました。気さくで温かなお話ぶりのなかでも「ものづ
くり」の話になると、キラリと真剣な目をなさるのが、印象的でした。
「ものづくり」のときの心構えについては、身を乗り出して教えてくださいました。

2010年大晦日のうちに...<Bon Magique 未完成のイラストと。>_f0063645_145437.jpg家に帰る道々。
すごい人だなあ、あんなに素敵な女性が
いるんだ。スタッフの方たちも素敵で魅
力的だった。全員、やはり少しも威張っ
たところがなく、温かかった。
私も、もっともっといい絵を描けるよう
になって、もう一度お目にかかりたい。
素敵な女性の先輩をお手本に、0.0000
1ミリでもいいから近づけるようにしよ
う...なんて、考えていたのです。

あの時のことを考えているとしんみりと
哀しく、残念でなりません。
思わず、ボンマジックへの想いをイラス
トに
しようと筆をとりましたが、たびた
び、気持ちが沈んでしまって今日まで
に仕上がりませんでした。

イラストはまだ、途中なのですけれど、
一応載せてしまいます。もちろん、ボン
マジックのイメージを本当にイラストで
表現する力量なんてありませんから、あ
くまでも私の想いを少し形にしたという
程度のものです。

本来なら、必要以上に取材も受けていらっしゃらないようですし、こんなブログに書くのはどうかと
思いました。ただ、エクラ11月号などでも取り上げられていましたので、そこに載っていた内容の範
囲で書いてみました。

ボン マジックのサイトはこちらです。時折、こちらのサイトを訪れては、ウットリしています。
Bon Magique


by kadoorie-ave | 2010-12-31 23:51 | イラスト付き
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