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どつぼ列車「タラコト秘境号」に乗ってきた!(3)

雨にむせぶタラコト秘境号、の巻 

今回のどつぼ列車には、“どつぼ列車「タラコト秘境号」に乗ってきた!(1)”でも書きましたよう
にKSB瀬戸内海放送の取材(他に共同通信社も)が入っていました。それで、香川・岡山エリアで
は、すでに一日の模様がテレビで放映されました。ご覧になった方は、雨の日にキハ47系が上り坂
を進むことの大変さを、既にご存知かもしれませんが...。
今回ご報告する写真は、参加者にとっては手に汗握るクライマックス・シーン(ちがう?)だった場
面なんであります。

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雨が降ってしまうと、こういうイベントは少しつまらなくなってしまうんじゃないかしら...と心配
しましたが、そんなことはありませんでした。杞憂でした。
車内を自由にフラフラしてよく、立ったり座ったり、駅長猫コトラの様子を見に行ったり。グッズ
を買うやら、お弁当を食べるやら。撮りたいものがあれば撮影し、気ままで楽しい〜。
要所要所の駅では、長く停車して「鉄道ファンとしては、ここからこんな角度で列車を撮りたいな
あ」「あの特急とタラコト秘境号がすれ違うところを撮りたいなあ」なんて願いを叶えることがで
きます。かゆいところに手が届く企画内容に、幼い子どもも、私(←乗るのは大好きだけど、鉄道
ファンではなく、飽きっぽいうえに疲れやすい)も駄々をこねたり泣いたりすることもなく、長時
間でしたが、たいして疲れもしなかった。
ちょっとびっくり〜〜。

どつぼ列車「タラコト秘境号」に乗ってきた!(3)_f0063645_2352620.jpg

この写真では↑よくわからないかもしれませんが、私服で首から「スタッフ」という札を下げている
方たちは、じつはJR職員の方々です。自主的に、プライベートで参加されているそうです。遠目で
見てもわかる、プロっぽい堂々とした立ち姿で、鉄道関係者とわかります。しかもエライ人達なん
だろうなあ、うん。

どつぼ列車「タラコト秘境号」に乗ってきた!(3)_f0063645_23522757.jpg

この企画がが楽しく、滞りなく進行するように走り回るどつぼさんは、すっかり濡れネズミ。

さて、あらかじめ乗車して妖怪に変化(へんげ)する時を待っていた大歩危(おおぼけ)の皆さん。
ここでついに登場です。唐草模様のみなさんはホラ貝や、ひょうたんでできたホラ貝(っていうの
かな?)をホッホー ♪ ホッホー ♪ と吹き鳴らします。

どつぼ列車「タラコト秘境号」に乗ってきた!(3)_f0063645_2353666.jpg

カッパ、児啼爺(こなきじじい)、ねずみ男が練り歩きます。なんてったって妖怪たち、頭が大きい
し背も高いですから、あっちこっちでつかえちゃう。
なぜどつぼ列車に妖怪が現れるのか??じつは、その昔から、大歩危峡・小歩危峡は妖怪の里として
有名
な土地なのであります。それから、山岳武士や山伏も行き交っていたそうです、ホッホ〜♪

どつぼ列車「タラコト秘境号」に乗ってきた!(3)_f0063645_23532932.jpg

讃岐財田駅を出て、坪尻駅に向かう途中...上り坂になります。鉄道のことはよくわからない私は、
「雨天でしかも上り坂」と聞いてもピンとこなかったのですが...
近くにいた人が「今日は雨でレールが濡れているし、キハ47はそれほど力のある気動車ではないん
です。この上り坂でもし止まってしまうとですね...二度と動かないんです
と教えて
くれました。
「車両の前のほうに寄って、重みをかけると、或いは効果があるかもしれません」
「小野寺さん、ちょとここに立ってみて」(←ちょうど車輪のある辺り)「ほら、足の下で車輪が空
転しているのがわかるでしょ。さっきから、こんな音がしている」

※写真↑は心配してわらわらと車両の前のほうに人が集まってきているところ。

列車は懸命に進もうとするのですが、ろうそくの灯火が消えるみたいに、次第に前進しなくなって...
何度も動こうとするも、ついについに、ついに...止まってしまったのです。ありゃま〜!

どつぼ列車「タラコト秘境号」に乗ってきた!(3)_f0063645_23535189.jpg

しか〜し、係員のかたがたが総出で、線路に滑り止めの砂を撒くなどして奮闘。「二度と動かない」
かもしれなかった列車が...
  う、動いた〜〜♪
      やた〜〜パチパチパチ。
でも再び止まり...さらにがんばって...
             動き始めました〜!!
参加者の皆さん、鉄道のことなら詳しい方ばかりなので、それぞれが自ら列車を走らせているかのご
とく、車両と一体化してしまっているようでした。
●↑左から二番目の写真の矢印。ここにあるのは、砂を出して空になったペットボトルであります。
●その砂は、その辺の砂ではなく、天日干しにして漉したものだそうです。
●窓から顔を出しているのは、列車が完全に停止していたときで、すれ違う列車もなかったときのこ
とです。走行中、よい子の皆さん(そして悪い子の皆さんも)は、窓から顔や手などを出してはいけ
ませんよ〜。
特筆すべきは、このときの運転士さんが格別優れた技術の方だったということ。「空転したり止
まってしまっても、一度たりとも後ろに下がったりしなかったでしょ?そして、再び走り出したで
しょう?あれはなかなかできないことなんですよ」
という話を聞きました。
ブラボーでございます!

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この一件に感心した私は、たまたま本屋で見つけた文庫本「鉄道員は見た!」(新潮社)を購入。
その本のね、「雨は怖い!」のページを真っ先に読みましたよ。
丸ごと一冊、おもしろくて一気に読み終えてしまいました。電車の中で読むのに丁度いいです。

(ま〜だ続きます)


by kadoorie-ave | 2010-06-23 11:14 | 散歩と旅・建物
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