『大上海糖果號』広岡さんの旗袍(チャイナドレス)<1>

広岡今日子さんの書かれた、旗袍(チャイナドレス)についての文章を、三回に分けて掲載します。
ほぼいただいた文章のままですが、もともと個人向けに書かれたものなので、私(小野寺)による
注が加えられた部分もあります。
旗袍(チャイナドレス)好きなかた、でも巷のチャイナドレスでは満足いただけなかったかた。ま
た、戦前の中国を舞台にした映画で、レトロなチャイナドレスは素敵だと思われたかたは、是非お
読みください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オトナの女だからこそ着たい、本当にエレガントな旗袍

はじめに
私はもともと、旗袍(チャイナ・ドレス)に関しては「着るほう」ではなく「集めるほう」でした。
上海留学中に出会ったアンティークの旗袍の美しさに魅せられてはや20余年、20世紀初頭から
1950年代までの、旗袍を含む中国服のコレクションは200点に及ぼうとしています。

もちろん、「着るほう」もやぶさかではなく、留学中にも何着か仕立ててはみたのですが、何か違
います。むかしの旗袍の、流れるようなシルエット、ちっとも窮屈でないのに、なぜかエレガン
ト。ずんどうの私を美しく見せてくれる、そんな仕立てにはついぞお目にかかることができません
でした。

何が違うんだろう…。むかしのものと今のもの、ふたつをならべ、ためつすがめつ。
そうしているうちに、大きな違いに気付きました。

今のものが、ダーツを取り、いわゆるワンピースと同じ立体的な仕立てになっているのに対し、む
かしのそれは、布をシルエットのまま切り抜いただけ。ですから平らなところに置くと、ぺたんと
しています。ともすればアッパッパ(歳がばれますね)のようにだらしなく見えてしまうはずなの
に、着るとなぜだか腰高ですっきりと見えるのです。

今の「チャイナ・ドレス」には制約がたくさんあります。
サイズはきっちり測らなければダメ。スリットは高く、足を見せるように。だからせっかくのディ
ナーを前にしても少食のふりをしなければいけませんし、そもそも中年のからだには、とても勇気
がいる敷居の高い服、それがみなさんの持っているイメージでもあると思います。

しかし旗袍全盛期の1930〜40年代の中国人は果たしてみな、スタイルバッチリだったのかという
と、もちろんふくよかなご婦人もたくさんいたわけで、その方々の姿は、ときおり当時の銀幕の中
でおがむことができますが、どなたもそれはそれで、とても魅力的にうつるのです。
セクシーさばかりが魅力として強調されてしまういまの「チャイナ・ドレス」とは全く違う、機能
美を備えた「国民服」としての美しさです。
この良さが、今の中国では忘れ去られ、むかしのままの旗袍を仕立ててくれる店は、残念ながら皆
無と言っていいと思います。

「この美しさを残したい」。そんな思いから、何年もかけていくつもの仕立屋を回り、理想の旗袍
を仕立ててくれる職人を探し歩きました。もちろん最初はそのものずばりとはいかず、何度かの試
行錯誤を繰り返し、ようやく理想に近いかたちに近づきました。
年を重ねた女性にならではの美しい着こなし。それが私の旗袍づくりのモットーです。
ぜひその美しさを、実際お召しになって実感なさってください。

広岡今日子
ーーーつづくーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
個人的伝言:香港好朋友Ms.Anna! 私がいつも旗袍の話で「上品」でお洒落...と言ってい
るの、廣東話にするとどうやら「瀟洒」という言葉みたい♪ Englishだとelegantかなあ。
これで意味がわかった?




[PR]
by kadoorie-ave | 2010-05-07 09:27 | 住むこと暮らすこと | Comments(0)
<< 『大上海糖果號』広岡さんの旗袍... また新しい旗袍(チャイナドレス... >>