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高松〜倉敷〜岡山の旅『中国銀行倉敷本町支店(旧・第一合同銀行倉敷支店)』

本町通り(ほんまちどおり)。子どもの頃読んだ日本の童話集にでも出てきたような通りです。そ
の頃見た夢の中を歩いているようでもあるのですが、全部『ほんもの』だというのが不思議。

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通りを進むうちに、立派な建物が目に留まりま
した。
やさしげなステンドグラスからこぼれる明かり。

これは何?なんの建物だろう?

「中国銀行倉敷本町支店」とあります。

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「明かりがこぼれている」という感覚って、久
しぶりのような気がしました。懐かしい。だっ
て、今は深夜ですらコンビニや自動販売機が光
り輝いていて、これでもかというほどギンギン
明るいのですから。

この繊細で美しい窓を眺めていると、中では人
がどんなふうに働いているのだろう...と想像し
てしまいます。どんなふうにっていったって、
銀行なんだから銀行員の人たちが普通に仕事し
ているだけ、なんでしょうけれど。

ここに立って周りを見渡していたら、頭にふと
「人の大きさに丁度よい街」という言葉が浮か
んできました。
(「私の大きさに丁度よい」と言ったほうが正
確なのか?)世界各都市の旧市街も同様ですが
これくらいが、人の暮らしにとってなんとか手
に追える規模の街なんじゃないかと。

東京・横浜・大阪...大きな街だけに、明治〜昭和初期に建てられたビルでも「威容」という言葉が
ピッタリの立派なものが多い。そういうのも大好きですが、二階建てながら充分手を掛けられたこ
の建物は...威張った感じがしません。
子供が「お父さん(またはお母さんでも)」がここで働いています、今日は働いているところを見
学に来ました...というときでも、職場の中での仕事ぶりが子供にもなんとなく理解できる...といっ
たような規模。(実際にはそんなに単純なわけはありませんが。)

それにしても、なんてロマンチックな窓なんでしょう。
この建物について、ちょっと調べてみました。「旧・第一合同銀行倉敷支店」として大正11年に竣
工した建物で、設計は薬師寺主計。大原美術館や有隣荘など,大原家関連の建物の多くに関わった
建築家だそうです。
詳しくはこちらをご覧ください。→倉敷市文化財保護課 登録有形文化財のページへ





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翌日、明るい時間に改めて観に行きました。

このドアが入り口です。こぢんまりしているけ
れど立派です。

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ディテールはこんなふう。

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建物の姿を眺めていたら、なんとな〜く、上品
で威張らない、ちょっと洒落た姿の男の人を連
想してしまいました。
姪に仕事で行った遠い外国の街の話をしてくれ
る、ほっそりした叔父さん、みたいな。

(↑みんな、ゼッタイここ読んで笑ってるで
しょ!なんだその妄想...とかって。いいじゃん
別にー!)


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保存状態もよろしいようで。

江戸時代の面影の残る町並みに、近代の建築が
いい具合に溶け込んでいて素敵でした。








by kadoorie-ave | 2009-04-15 22:05 | 散歩と旅・建物
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