<香港映画祭 3>「父子」「天堂口」

10月24日(水)「父子」

f0063645_001215.jpg事前に見た、この映画の男の子があどけなくて可愛らしいせい
か、いつも明るく溌剌としたイメージのアーロン・クォックが父
親役だからか、この映画をハートウォーミングなハッピーエンド
の映画だと思っていました。でも、違った。
香港ニューウェーブの鬼才と謳われ、ウォン・カーワイ監督が師
と仰ぐ譚家明(パトリック・タム)監督が17年ぶりにメガホンを
とった映画。

落ち着いた美しい映像。丁寧に淡々ととっている分却って現実が迫って来るのでした。

ギャンブルばかりしていて、いつも妻に借金の肩代わりをさせている父親は、何かと言えば大声で
怒鳴り、暴力を振るう。別れたがる内縁の妻には「優しくしてやっているじゃないか!結局はカネ
か!俺のこと、好きだろう?」が口癖。(ここまで極端でなくても、もっと穏やかで平凡なバー
ジョンで、似たような会話がその辺にいっぱい転がっていそうだと思いました。観ていてツラ
イ....。)

ろくでなしの父親(だってダニみたい!)。夫はさておき子どもまで捨てて、安定した新生活に
収まってしまう母親。どの登場人物も「この人が悪」と決めつけてしまわないところに、
リアリティーがありました。そして親と子の関係を深く考えさせられる映画なのでした。(親子だ
けじゃなく、登場人物の誰の立場で物を見るかによって、様々な感想が出て来ると思いました。)

冒頭の画面で「観終わったとき、感傷に流されるのではなく、心に何か残るものがあればうれし
い」というような(うろ覚え)監督のメッセージがあったのですが、まさにそういう作品でした。
ただし、観たあとに多少重い気持ちになって、色々考えながら帰る...かも。

※香港電影金像奨5部門(作品・監督・脚本・助演男優・新人賞)受賞に加え、第
19回東京国際映画祭「最優秀アジア映画賞」も受賞しましたね。

JanJan 香港映画「父子」に最優秀アジア映画賞
...................................................................................................................
10月25日「天堂口」

f0063645_1584427.jpg

製作がジョン・ウー(呉宇森)。香港、中国、台湾と中華圏の人気若手スター...しかも演技力でも
注目されている実力派がずらり顔を揃えた映画。
セットも衣装も丁寧に作り込んでいて、1930年代当時の上海の雰囲気を充分に堪能できる♪....の
ですが、従来の香港ノワールの「血みどろだけど、バンバン派手な銃撃戦で、どこかカラッとして
いる」テイストとは違う。場所が上海だからか、一層本格的に作ったからか、コロシのシーンにズ
ブリと重い血なまぐささがありまして.....見入りながらも、「ひいいっ!」と肩をすくめることの連
続。終わったら肩がバリバリでありました。ふぅうう〜。
[PR]
by kadoorie-ave | 2007-10-29 23:58 | 映画・音楽・ART・WEB | Comments(2)
Commented by greenagain at 2007-11-01 14:24
香港映画祭、観にいきたかったですー!全作制覇されたのですね。
ブラボー!!
Commented by kadoorie-ave at 2007-11-02 07:14
> greenagainさま
行きたいなーと思いつつ、チケット買いに走るところまで行かなかったので
招待していただけて、めっちゃラッキーでした!
でも、あと一作あってそれは観てません。
あの華やいだ空気と、日本未公開作品をいい環境でゆったり見られるのはやっぱりいい!
レスリーのことがあってから、イベントに行く気持ちが沈んでいましたが
来年からは積極的に参加したいなーと思いました。
<< 油条(油炸鬼)を作るのだ〜。 <香港映画祭 2>「鐵三角 T... >>