中秋節のお茶会と、ル・コルビュジエ展と。

9月24日(月)。日曜の秋分の日の振替休日。
お昼前から始まる中秋節のお茶会(といっても中国茶)に参加するため品川に急ぐ。場所は高輪口
側、ざくろ坂の『新高輪プリンスホテル』にある茶館『春風秋月』。通りに面したこじんまりした
空間で、ガラス越しに中の様子が見えます。
ここは、元は渋谷東急東横店内で「邀月茶館」を開いていたAndy Liさんのお店でしたが、色々な事
情で友人の高さんが引き継いだのです。
実は高さんは、私が渋谷の広東語教室に通っていた時の先生。元々、彼女は古琴と古箏の専門家で
す。その力を発表する場がなくてもったいないなぁと思っていたところ、私が教室の帰りにいつも
寄っていた「邀月茶館」のAndy Liさんが『だったらうちでミニコンサートを開いたらどう?』と
申し出て下さり2003年頃は定期的に演奏をしていました。演奏はもちろん高さんで、私が司会。楽
しかったなぁ。
そんなご縁で、高さんは高輪の『春風秋月』を引き継いだのでした。


f0063645_0205430.jpgこの間、台灣に行ってきたばかり...という高さんが、質の良い東方美人
茶や月餅他、お茶請けの菓子も色々並べ、楽しいお茶会となりました。
お茶は他に福建省の正山小種(だったかな?)など数種。

メンバーは女性ばかり、5人(そのうちの一人は広州出身で、私と同い
年。お誕生日もお互いもうすぐ!とわかり盛り上がりました。)それに
高さん(おなじく広州出身です)。アシスタントに青島(チンタオ)の
近くの出身、スラリとした長身で美人の孫さん。おしゃべりにも花が咲
く...。
後半は久しぶりに高さんの古琴の演奏を聴きました。響き渡るような派
手さはなく、落ち着いた深い音色には「幽玄」ということばがぴったり
かも。(光源氏も、その昔弾いたかも...という楽器です。)
*     *     *     *     *

さて、この日は見たかった展覧会の最終日でもありました。おお忙しい。
ル・コルビュジエ展(六本木ヒルズ森タワー/森美術館)です。今までなかなか行かれる日が見繕
えなくて、やっと!でした。


f0063645_1503590.jpgル・コルビュジエ(Le Corbusier)といえば。
....それは、小さい頃母の本棚から抜き出しては眺めていた美術
専門書の中に載っていた心地よい形のモダンな建物、のおじさ
んでしょ!....というところから、知識もちっとも増えていません。
でも「好き」なので是非行こうと思っていました。

思ったこと、感じたことはいくつもあるけれど、建て物の線
が、「絵を描く人」の線だよなぁ...ということを
改めて確認。

研ぎすまされ、無駄を全てそぎ落とした無機質な線ではなく、
たった一本の線に、様々な感情、色、それまでの人生すら含ん
でいるかのような、有機的な線。愉快にたわむ、豊かな線。ど
こかに遊びを感じるゆとりの線。(たとえ直線でも、だ。)
彼の絵だけでなく建物もそういう線で出来ていて、ここに居よ
うかなぁ、ここに居たいなぁと思いたくなる空間。お腹が冷え
て痛くならない場所。

生真面目そうな中に、どこかでキラッと茶目っ気のある目の光を見たような、そんな印象の建物。

ストイックで辛気くさいものは私にはどこか信用できないぞ。

実物大の模型に入ってみたら、すぐさま自分がどう住みこなすか、具体的に考えているのに気付い
て苦笑い。
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by kadoorie-ave | 2007-09-25 23:53 | 散歩と旅・建物 | Comments(17)
Commented by *やん* at 2007-09-26 08:52 x
とっても素敵なお茶会でしたね!!
幽玄な音色のお琴、、、 ひとりで妄想にふけりました。
HP見せて頂きましたが、茶藝館のスペースがとっても素敵!!
行ってみたいな〜。
Commented by greenagain at 2007-09-26 20:23
古琴と古箏、ル・コルビジュエ、どちらも私の心にヒット!
新日曜美術館で、ル・コルビジュエの特集を観て、この方、絵を描くように建物設計しているわ~と思いました。絵も面白い絵だらけでびっくりしました。
すぐどう住むか考える、光子さんらしいです♪
Commented by morimaman at 2007-09-26 20:45
新高輪プリンスですね。
行ってみたいです。
先日台湾から帰り、お茶を大量に仕込んできました。(もちろん荷物はあの方が持ちます)
素敵な空間でおいしいお茶と、琴の音、、からだと心の為にはこれに勝るものはありませんね。

そして、コルビジェ。憧れの建築家。
彼が設計をした家に、私も住みたい。窓から差し込む西陽さえ優しく温かそう、、、
Commented by morimaman at 2007-09-26 20:46
新高輪プリンスですね。
行ってみたいです。
先日台湾から帰り、お茶を大量に仕込んできました。(もちろん荷物はあの方が持ちます)
素敵な空間でおいしいお茶と、琴の音、、からだと心の為にはこれに勝るものはありませんね。

そして、コルビジェ。憧れの建築家。
彼が設計をした家に、私も住みたい。窓から差し込む西陽さえ優しく温かそう、、、

(リンクありがとうございます。私もリンクをさせて頂きます♪)
Commented by kikkoro at 2007-09-27 00:31 x
ル・コルビジュエ展、あ、終わっちゃったのね。
最近、行きそびれる展覧会のなんて多いことか…。
いい時間をすごしてますね~。
Commented by pyontaro-piyopiyo at 2007-09-27 00:46
広東語教室にも通われてたんですね!すごい!!
こういう人のつながりってほんとに素敵です!!

コルッビジェ、間に合ったんですね^^。
椅子あたりの家具から入られたのかと思ったら、建築からだったのですね^^。
近代建築縦横に仕切られた平面を絵画の構図のように空間を初めて自由に開放した建築家だと思います。
それもちゃんと空間の濃淡をただのファッションでなく人の五感からデザイン、と同時に高い機能性とお茶目な遊び空間を、大小関係なく頑なに頑固に造り続けました。
ロンシャンの教会なんてまるで光の絵画の中にたたずんでいるよう!
ブラジリアの街づくりなんて街全体が一つのコルビジェの頭の中の空想絵画のようです・・・・・
・あ~ん!!ね、収集つかなくなってきちゃったでしょ^^ゞ
Commented by kadoorie-ave at 2007-09-27 02:42
>*やん*さま
最初にこの『春風秋月』を作ったAndy Liさんは、繊細で優れた美意識の持ち主で
彼が考えるインテリアはいつもとても素敵なんです。
高さんは、それを引き継いで、彼女ならではのやりかたで、中国茶をはじめ
中国文化を伝えようと、日々奔走しています。
以前あった『邀月茶館』で、『梅花三弄』『酒狂』『平沙落雁』などの曲を聴いていた頃のことを思い出しました。
Commented by kadoorie-ave at 2007-09-27 02:53
>greenagainさま
実は、コルビュジエの最終日と、中秋節のお茶会の日程がダブっていたことに気付かず
どちらか諦めなくちゃいけないだろうか...と心配しました。
結局どちらも長居することができなかったのは残念ですが、とにかく行かれてよかった!

私は、絵画的な線が大好きなので、絵と立体、そして建築までまとめて見ることが出来て面白かったです。
今回の展示の記録と、4つの白い住宅のDVDを買いました♪
Commented by kadoorie-ave at 2007-09-27 03:02
>morimamanさま
>>(もちろん荷物はあの方が持ちます)
....う、うらやましい〜!
私はいつも一人でフラフラ行動しているので、いつも荷物で肩がアザだらけになります〜。
忙しい日々(?)に、お茶をいただくための時間をもつのっていいですね。
久しぶりに、深く穏やかな古琴の調べを聴きながらお茶を頂けて、しあわせでした。
コルビュジエ展、実物大模型を体感できるのは、やはりおもしろかったです。
空間と自分のサイズを実感できるので。
Commented by kadoorie-ave at 2007-09-27 03:07
>kikkoroさま
西へ東へ、展覧会をはじめ日々たくさんの充実した時間を過ごしてるkikkoroさんを
少しは見習おうと思ってるんだけどなぁ!
それでも、行きそびれる展覧会が多いって、一体どれほどの展覧会に行こうとしてるんですか〜〜
いやはや、この日はなかなか充実した一日でした。kikkoroさん気分!?
Commented by kadoorie-ave at 2007-09-27 03:22
>pyontaro-piyopiyoさま
普通話(中国標準語)から勉強するのが普通なのですが
私は、広東語の響きがそれはそれは好きなんです。
passionとユルさが同居しているかんじがたまりません。
人のつながりといえば....最初に知り合った香港からの語学留学生を家に招いたら
来られなくて、かわりに紹介されたANNAさんと友達になりました。
廣東話を習おうと思って行った教室で出会った高先生が、そのANNAさんの親戚だった
....っていうのは、全くの偶然でした。不思議でしょ〜?それも、みんないい人なんです〜。
あ、コルビュジエ展で初めて、椅子の座り心地を、あれやこれや座り比べることが出来ました。わ〜いわ〜い!

夢のおうちでは、コルビュジエのソファにMUNIのカーペット(http://www.sqr.or.jp/usr/muni/nextin.htm)って
10年近く前から決まっているんですもん♪
Commented by 王華 at 2007-09-27 11:25 x
むかし上海で古琴を習っていた時、先生から「この曲は発祥が山東省だから、彼らの言葉のイントネーションをイメージしてね」といった具合に、地方言語をいつも意識した習い方をしてました。今は五線譜、数字譜もありますけど、古琴譜って基本は「減字譜」っていう独自の文字の羅列で、音と指使いが指定されてるだけなので、リズムは個人や流派で勝手に創作するんです。なのでそういう言い方ができるんですね。

残念ながら古琴にはr流派はあれど広東発祥の曲はないんですが、今度機会があったら、高胡、琵琶、笛など絲竹アンサンブルの広東音楽を聴いてみてください。彼らの言葉のイントネーションにすごくぴったり来るんですよ。やたらと俗っぽいメロディーラインなのに、それがまた魅力的。二胡(胡弓)の仲間で音域が高い高胡は広東音楽独特の楽器なんですが、これがまた、広東語のイントネーションにぴったり来る音なんだな。
そんな風に、地方音楽と言語の類似性を探るのってなかなか楽しい作業です。
Commented by na_geanna at 2007-09-27 12:12
優雅なお茶会ですか・・・小生には、一生かかっても縁のないものです(笑
さて、Le Corbusier氏の建築物って今でもカッコいいですね~
やはり、いい物は時代に左右されないと言うものがありますね!
Commented by kadoorie-ave at 2007-09-28 00:02
>王華さま
おおおお...すごい。
『絲竹アンサンブルの広東音楽』ですね?CDなどでも捜せるでしょうか?
>>やたらと俗っぽいメロディーラインなのに、それがまた魅力的。
...って、私好みだという気がします。
そういえば、北方の曲(モンゴルだったかなぁ)を聞いたときは、そりゃもう、広く高い空がどこまでも広がり、馬のいななきが聞こえるような曲でした。
南方の曲は、いったいどんなかんじなのか.....
Commented by kadoorie-ave at 2007-09-28 00:05
>na_geannaさま
優雅ですが、お作法が厳しいこともなく
おいしいものがあって、座って喋っていればいいだけですよ♪
私たちの後には、太極拳を教えているという男の方も参加してましたよ。
Le Corbusier氏の建築、気持ちがいいですよね。見ていて飽きないし。
Commented by 王華 at 2007-09-28 04:13 x
広東音楽といえば一般的には絲竹アンサンブル(中国楽器の小編成楽隊)なんですが、中国の音楽家さんたちはやたらとオーケストラ編成にするのが好きなので、その点のみ注意すれば問題なくゲットできると思います。ちょっと探したらこんなショップが出てきました↓
http://cart1.fc2.com/cart/jiangnanchun/?ca=33&fcs27=419d7943379fe963ac0f81840d6c9420
高胡の余其偉のCDも何枚かあるみたいっすね。今はどうだかわかんないけど、むか〜しの録音を聴く限りでは、広東風味がかなり濃厚。

日本のアマチュア楽隊ですが、広東音楽の演奏がここで聴けます↓
http://www.sizhu.info/choreikan/home.html
平湖秋月ってのは広東音楽の代表曲ですけど、雨打芭蕉のほうがより「らしい」です。江南絲竹と聴き比べると、特色がよくわかるんじゃないかなと思います。
俗っぽいメロディーラインなのは、広東音楽というジャンルで成立したのが民国期だったからじゃないかな。上海は南市あたりにある、中華テイストの洋館、あれに通じる俗っぽさかな、私の中のイメージは。
Commented by kadoorie-ave at 2007-09-29 11:12
>王華さま
うわぁぁ。やっぱり王華さんには気軽に質問するといいですねえ♪打てば響き渡るな。
ありがとうございます〜。
>>中国の音楽家さんたちはやたらとオーケストラ編成にするのが好き
...っていうのはなんとなくわかるな。ぷぷぷ。
雨打芭蕉は題名からして南方系なかんじがいいですね。
>>南市あたりにある、中華テイストの洋館、あれに通じる俗っぽさ
..っていいですねえ。試聴してみましたが、好きです。
やっぱり音から気候風土が伝わりますね。
ついでに、あちらのほうの人がしゃべってる口の開け方なんかまで思い出すのが不思議です。
良いサイトを紹介して下さってありがとうございましたーー。

関係ありませんが、粤劇の「帝女花」のサビのところを歌えるようになりたいんだなぁ、いつか。
そんなんで、帝女花のdvdを流しながら仕事してます。
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