イラストレーターになったのは。(その2)

中高一貫の女子校だったので、中三の頃になると、将来どんな進路に進むのかなんとなく考えなけ
ればいけません。丁度担任も美術の先生で気分も盛り上がっていたし、ここでも迷いなく『美術系
に進もう♪』と決めました。
ところが、美大出身で理解があるはずの母が(理解はありすぎるくらいあるのですが...)、「美大
なんてどうしても必要なところではないし、受けるなら現役で合格しなければ」と言います。
曰く、美術をやるのに、何も大学に行かなくても画家になる人は画家になる。条件が揃っていなく
ても、好きでたまらなければ描くものだ...と。
....ごもっとも。
でも、よ〜く考えたら「そうは言っても、ママも美大を出たんだよね?」
「でも、現役でなくちゃだめ」...と母。
「だったら、一年浪人したつもりで、一年早く受験勉強をさせてください」と交渉して、高1から
大学の公開夏期講座みたいなのを受けたり、個人の先生のアトリエに通ったり。高2からは美術研究
所と、個人のアトリエと...。
しみじみ考えたら、すんごーくお金かかってます。よく黙ってお月謝出して
くれました。
『修道院より清貧』なんて言葉が出るような慎ましい家だったのですが...。
で、一番入りたかった美大にストレートで合格。絵画科油画専攻でございます。チャンチャン♪お
めでとう〜〜〜♪
....さて。モンダイはここからです。こうやって、寄り道もなしに来てし
まうと....自分の中に陰影とか、サブカルチャーの知識とか...とにかくなんにもない!(あるんです
けど、それは美大で役に立つものではなく。)ページ数の少ない健全幼児向け絵本みたいでした。
ピカピカの。...これはねぇ、内心本当に困りました。中身がなかったら、出すこと(表現するこ
と)もできないではありませんか〜。いくら技術がそこそこあっても。
話をしていても、浪人して入った人たちには格段におもしろい人が多かったから、今に至るまで
「ダブったり、フラついたりしてた人」への憧れとコンプレックスはずーーっとあります。

...で、なんでしたっけ?そうそう、イラストレーターになることについて書いていたんでした。
将来「雑誌や本に挿絵を描く」ことに憧れていたなら、普通はグラフィックデザイン科を選ぶらし
いのですが、なぜ油画科というと....ひとえに、デザイン科にはやりたくないことがたくさんありす
ぎたからです。定規キライ、製図キライ、平面構成キライ、均一に塗るのキライ、キッチリデキナ
イ。
だって、小さなときから「絵を描くときに定規は使っちゃ駄目」「消しゴムに頼らない」「生き生
きした線とは...」「パレットから絵の具をとるときは...」「はみだしてもいい」なんていう絵画科
的アカデミックなアドバイスを受けながら育っちゃったんですから。(とてもありがたいことで、
感謝しています。)ついでに言うと、ぬり絵もちゃんとできません...飽きちゃうから。
で、将来イラストを描くとしても「絵を描く力」がついていればいいな、と思って、油画科に行っ
ちゃったというわけです。ただ、絵を描きたかったのでした。

続く...のかな。
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by kadoorie-ave | 2007-08-17 02:27 | 思ったり、考えたり... | Comments(10)
Commented by greenagain at 2007-08-17 06:27
グラフィックデザイン科って、そんなキッチリしたことやるんですか!
私もダメです。できません~。はみだしてばかりー。
Commented by 讃岐おばさん at 2007-08-17 07:55 x
ステキなカード、どうもありがとうございました。
お礼が遅くなってしまってすみません。
台湾旅行記、忘れないうちにアップしようと頑張ってます(笑)

私は団塊の世代なのですが、小さい時から漫画家になりたかったんです。
高校を卒業して日本画を習ったのですが、それも漫画家になるための手段でしたが・・・。
何処でどう間違ったのか(笑)

いずれにしろ目標があるということは素晴らしいことだと思っています。
Commented by fuRuりん at 2007-08-17 10:34 x
現役生には現役生の悩みがある。
私も現役でしたから、なんか損したみたいな気分で学生時代をすごしました。ぜいたくな話ですが。
それにしても、お母さんが美大卒という環境は、なかなかです。
Commented by na_geanna at 2007-08-17 10:49
絵の道まっしぐらな、お嬢さんだったんですね~
そのほかは、染まってない「健全幼児向け絵本」と言うのが
なかなか上手な表現だなぁ~と思いました。
ちなみに小生は・・・もう、大人になる直前から汚れきってました(爆
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-18 00:41
>greenagainさま
イラストの仕事では、そりゃきっちり仕上げますが
私とは体質そのものが違うなぁ..と思うことが多いです。
意識し過ぎる必要もないとは思うけど。
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-18 00:49
>讃岐おばさんさま
お帰りなさい!from台灣♪
東京もこんなに暑いんだったら、台灣や香港の暑さもこわくないや...なんて思います。
台灣に行っておいしいフルーツを山盛り食べたい〜〜、かき氷も!!!

私は絵に描いたような「アリとキリギリス(本来はセミとキリギリスでしたね?)」のキリギリス(セミ)タイプ。
「ウサギとカメ」ならウサギタイプなんです。そんな私が、どうにか細々続けてきたのがこの仕事。
とはいえ、明日はいつも見えないので、早く自分でレールを敷かないと脱線ちゃいますねえ。
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-18 01:01
> fuRuりんさま
あらまあ、fuRuりんも現役でしたか。
それなら年上の先輩や同級生から、随分可愛がられたことでしょ〜♪
(5浪の男の子とかって「お父さん」って呼ばれてませんでした?
今考えたら、まだツルツルお肌のわっか〜い子だったのにね。)
それにしても、身内に同じ分野が「わかる」人がいるということは、自分が最も気にしている
人には触れてほしくない弱点を、何気なく突いてくる人がいるということで....
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-18 01:10
>na_geannaさま
まっしぐらというか、他に道がなかったというか...。

中高校生の頃は、ただでさえ若いのに、同級生よりさらに若く見える容貌であるため
むりに大人っぽくして「背伸びしてる」「似合わない」とか「実は幼稚でバカ」だと思われるより
「幼く見えるが話すと意外に中身がある」ほうがマシかと思い、大人っぽく見せる努力をしませんでした。
......そしたら、大人っぽくならないままおばあちゃんになってしまうみたいです。
Commented by AKi at 2007-08-18 16:50 x
美大出の母上に「現役じゃなくちゃ...」と言われて「健全幼児向け絵本みたい」にお育ちになるというお話、なにかいい話ですね。
昔々の話ですが、私の運命も大いに母の手中にありました。子供の時にいやいやながら画家につかさせられたり、高校の時に「あなたの成績では......です。絵の試験のある大学にいきなさい」....というような話で、美大となったのでありました。
そんな母ももういませんが、自分自身は三人の子供の親として、子供達が皆、美大になってしまったのを喜ぶべきかどうか....と思っています。
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-19 02:33
>AKiさま
同い年から見てもなお若い外見で、現役でしかも「健全幼児向け絵本みたい」ですと....自分としては少々困りました。
せっかく大学生でしたのに...。
お子さんたちが揃って美大だなんて....私としては最高に喜ばしくもうらやましいことに思えます〜。若い時に4年間、素敵な仲間に囲まれて「考え事」と「制作」をする時間が確保されるなんて、人生最大の宝物みたいなときですよね。
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