イラストレーターになったのは。

今回の個展の画像でもう一点、ブログに出していない作品があります。

実は、昨年上海に行って以来お世話になりっぱなしの王華さんが来てくださるという日の前日。会
場を見渡したら、なんとなく上海風景が足りない気がしてきました。それで、王華さんが来る前に
なんとか...と、帰宅後あわてて徹夜で描いた絵。それをご紹介していません。
上海の『アストリッドマンション』というアールデコの建物を入れたイラスト。

あとから会場に作品を足すなんて初日に駆けつけてくださった方達に失礼だと思い、なんとなく写
真を撮るのをためらっていたのであります。(←前半に来てくださった方、ごめんなさい。)そし
たらそのままになってしまい、画像がない...。

...と思っていましたら、なんと"MyPlace"とり上げてくださっていました。追っ
て、自分でも作品を撮るつもりです。

MyPlaceの「小野寺さんの「ミニ個展」で見つけたこと」のコメント部分を読んで、つらつら考えた
ことや思い出したことを描いてみようと思います。自分自身のことを語るのはちょっと...と思ってい
ましたけど、いい機会なので書きながら自分の頭の中も整理してみようと。

なぜ自分はイラストレーターになったんだろう?どんなことをしたいんだろ
う?なにができるんだろう?これからどうしよう?


f0063645_1323896.jpgf0063645_1325733.jpgf0063645_133201.jpgf0063645_1333535.jpgf0063645_1351488.jpg

今の自分の職業は、幼い頃に決めたもので、思いがブレもせず、真っすぐやって来れたのは、ラッ
キーとしか言いようがありません。(儲かっているのか、有名なのかと言われたら苦笑いするほか
ないのですが。)
一番最初に『絵を描く』ことを意識したのは、幼い頃の朧げな記憶の中の、母が絵を描く姿でしょ
うか。油絵の具の匂いと、筆を持つ後ろ姿を見て『カッコいいなぁ、素敵だなぁ』と思いました。
(思えばまだあの頃の母は美大を卒業して何年も経っていなかったんですね。学生時代のクロッ
キー帳を引っ張り出してよく眺めていましたが、的確で生き生きした線がとてもいいんです。私に
はまだ描けない。)
それから、文字を読み始めたのが早かったのもあり、絵本やお話の本が大好きで絵を眺めてはうっ
とり。絵がない本は、魔法の解けた本のように魅力がなく思えましたっけ。
日本の本なら特に昔話系。外国のお話なら本当にその国の人が描いた挿絵が好きでした。日本の人
が描いた欧米風の絵は、本当の生活感がないのでつまらなく思えました。薄っぺらで上辺だけな感
じがしたのです。(それは今も同じかな...)
『挿絵』というものに惹かれてお絵描きをたくさんしていたら、小学校1年か2年生の頃、担任の先
生から『学校からの新聞のカットに使いたいから、なにかペン描きで描いて』と言われたことがあ
りました。上履きの小さなカットを描きました。わら半紙にガリ版刷りではなく、サイズの大きい
上質紙にちゃんとした印刷だったので、学校で配布された時は嬉しさで胸を膨らませて家に帰りま
した。だって、名前まで印刷されていたんです。

これで、印刷物の真新しい匂いをプンプンさせながら配られ、たくさんの人に見ていただけるとい
う特別な嬉しさが刷り込まれたみたいです。

中学に上がると、年一回発行で学校の名前がタイトルの雑誌があり、学年が低くてもそこにいくつ
かカットを載せていただくのが楽しみになりました。
当時の中学生ならよく持っていた万年筆も、壊れると雑誌や新聞の読者欄なんかにイラストを投書
し、採用されると新しいのを手に入れられると知り、味をしめました。『絵を描くとお金になる』
わけです。中学生の頃、新聞の読者欄に載った雛人形のイラストを見て、呉服屋さんだったか、
染物屋さんだったか...着物のデザインをしてほしいとお声がかかったことがあり、さすがにそれに
はびっくりしました。

.....というところで、長くなり過ぎたので、また次回に書くことにします。読む人がいなくても。
[PR]
by kadoorie-ave | 2007-08-15 23:55 | 思ったり、考えたり... | Comments(12)
Commented by na_geanna at 2007-08-16 08:11
みつこさんのイラストって、どう見ても「天性」ですよね~
純粋に思ってるからこそ、進んできて今に至ってると思います。

小生も、これから一体何ができるのか・・・何をするべきかと
考えてたりしなけらばなぁ・・・と思い返してます。
Commented by 王華 at 2007-08-16 11:15 x
幼い頃から考えがブレずに、というのはすごくステキなことだと思います。
だからこそ、お金のことを考えずにここまで来られたんじゃないでしょうか。

イラストを天職とし、それ以外のところでお金を得るという方法もあるわけで(大変だけど)。
とにもかくにも、天職と自分で思える職業があるというだけで大層幸せなことだなあ・・・とうらやましく思う私であります。
Commented by pyontaro-piyopiyo at 2007-08-16 15:32
あの絵、光子さんに紹介されて見たとたん〝これ大好き〟って思った絵でした。
でもその覚悟もないのに、描いた方のまえで〝欲しい~!〟なんて簡単に言えなくて、
ついジィ~っくり見惚れてました^^ゞ
〝どんなことがしたいんだろう?何が出来るんだろう?〟
ここ10数年、ずううぅぅぅ~っと考えながら未だにモコモコもんもん模索しながら過ごしています><。
だからというわけではないのですが〝撮った人の顔が見える写真ですよね~!〟という言葉は、
実は、そんな私にはとっても嬉しい、何かの後押しになりそうな有難ぁい一言だったのでした^^!
Commented by fuRuりん at 2007-08-16 18:23 x
なんか、良いですねえ。
やっぱり、導かれているというか、うーん、人生の不思議ってありますよね。
続編も楽しみです。
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-17 02:43
>na_geannaさま
このくらいの「天性」の人なら、たくさんたくさんいくらでもいるのだと、思うんです....。
だからしょっちゅうシュンとしてしまうんですが。
純粋かといえば...絵を描くのが好きだという気持ちは純粋だけど
見栄とか、意地とか、計算とか...そんなものに支えられて来たともいえるでしょう。
個展で出したイラストは、ただただ好きなように絵を描ける、そんなところがいいです。
クライアントが何を欲しているのか、狙いを定めて描くのも好きなんですが。
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-17 03:02
>王華さま
ブレなかったのは、ある意味では幸運なこと。
でも、あまりにもストレートな経歴で(人から見たら、順風満帆?)自分に膨らみや厚みがないってことを知ってます。
(体のことじゃないのよ↑。)
紆余曲折あった人は、その人が思っている以上に豊かですもんね。
ところで、お金のことを考えないできたわけじゃないんだってば、生まれつき計算は苦手だけど。
>>イラストを天職とし、それ以外のところでお金を得るという方法.....って、
イラストでちゃんと収入にならなくっちゃ、それはただの「趣味」なのではないのかなー、よくわからないけど。
たとえどんないよい絵を描いても、「よいご趣味」の範囲なのだったら...多分生きていられないと思う。
実力相応の収入でいいから、ちっぽけでもプロでいたいんです。
イラストを描くためだったら、睡眠時間でもなんでも削れるんだけど、他の職業ではそんなに頑張れそうにないし...。
....って、書いていてわかりますた。そんなら、もっとイラスト頑張らないといけないのね。
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-17 03:12
>pyontaro-piyopiyoさま
あのう、是非遠慮なく簡単に「欲しい〜」って言ってください。
だって、「欲しい〜」っていうのが最高のほめ言葉なんじゃないでしょうか。
そんな言葉を聞いたら、いきなりエンジン快調♪バンバン次の絵を描いちゃいます♪

そうそう、pyontaroさんの海のお仲間の写真も、お仕事の写真も、昔の卒業制作も
共通のテイストがあって「なるほどねえ」と感心するんです。
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-17 03:24
> fuRuりん さま
人生の不思議っていうか...情けないほどにストレートで純粋培養な育ち方で。
(サラブレッドといえるほどの力があったなら...よかったのですが。)
なにをやるにも「まだまだ未熟なんじゃないか」「実力不足なんじゃないか」と怖じ気づきやすかったのですが、
「こんなレベルで仕事しちゃうの?」という若い子の作品なんて観ていたら
怖じ気づいているのがもったいなく思えて来た今日この頃なのです。
一歩前へ!...ん〜、とりあえず半歩前へかな...。へへへへ...
Commented by 王華 at 2007-08-17 06:38 x
>イラストでちゃんと収入にならなくっちゃ、それはただの「趣味」なのではないのかなー、
えーそしたら私の今の収入じゃ、「よいご趣味」の範疇だよ(汗)。どうしようどうしよう。

私はさ、単に生きるためならば、何だってできると思うのね。
それに、プロ意識を持つ=ちゃんと収入になるとは限らないと思うの。
だって特に芸術の世界では、自分の価値がいつどうやって認められてお金になるかなんて、だれにもわからないじゃん。
だから、とりあえず明日の米も買えないほどの状態でなければ、そんなに無理せんでも、と思う私はプロ意識が低すぎでしょうか・・・。

純粋培養には純粋培養なりの良さって絶対あると思うよ。
自分の信じた場所にまっすぐに向かうさまって、確実に人の心を打つものだから、私は誇っていいことだと思うなあ。
んー難しい話は苦手なんでこのくらいにしときます。
とにかく私は光子さまのぼたん色が大好きなので、それを失わないでいただきたいのであります。
私だってアストリッド・マンションの絵、欲しいよ〜〜。
だけどそれこそ赤貧のわたくしには(以下略)。
ということは、私ももっとお仕事をがんばらなければいけないということですね。しゅん。
Commented by tam at 2007-08-17 15:30 x
アストリッド・マンションの写真をとりあげたことをとりあげてくださってありがとうございました。あの絵は縦に長くて、正面から写真をとって全体を画面に入れるにはすこし、スペースに引きが足りなかったので、下の方から見上げるようにして写真を撮りました。入り口のドアを開ければできないことではなかったのですが、もともとの絵の構図が、下から見上げるパスペクティブを強調したものだったので、それをさらに強調してやろうと思いました。そうすると、なんだか2次元の世界に入り込んで3次元をいじるようで、ちょっとたのしい気分になりました。
というわけで、2.5次元気分が気に入ったので、それをミニ個展の看板としてエントリーしたのでした。原画とコピーという少しややこしい話にもちょっと重なるような気もしました。
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-18 00:07
>王華さま
だからねー、王華さん。私は冗談や誇張でなく『明日の米を買えるようになりたい』んです.....。
そういう状態なんですよ〜。
それに、どっちに進んで行ったらいいのかわからなくてこうして書いてみて、頭を整理している次第。
(とはいえ、頭にあることのほとんどは、ここに書けない.....。)
「アストリッド・マンション」のあの大きさを、ポーンと買える人はどんな人なのか
私もお会いしたいですが、どう考えてもあれより価格も下げられないんですよね....。
版画だったら良かったな....と思いつつ、他のイラストレーターのHPなど調べたら
みんなお店に頼んで、スキャンしたものをプリントしてもらって販売しているのね。
『販売』って苦手だけど、これからは考えて行かなければいけないみたいです。
Commented by kadoorie-ave at 2007-08-18 00:27
> tamさま
あの縦に長い額縁が妙に好きです。
日本の書画を入れる額縁を塗り直したものですが、描けるものが限られるし
いつもよりちょっと頭をひねる必要があります。
(以前、北斎の浮世絵展を観た時に、どうしても細長い構図で描いてみたくなりました。)
アストリッドマンションをグーンと見上げたイラストが、tamさんところで
さらにおもしろくなっていたので、感心してしまいました。
それにしても、狭い道に建物が縦にニョキニョキはえている香港に較べると
上海を縦長構図に切り取るのはなかなか大変だと実感しました。
もっと、横にどーんと落ち着いた街並でした。
<< イラストレーターになったのは。... 閑話休題<携帯電話に参った一日。> >>