<大竹伸朗 全景1955−2006>展@東京都現代美術館

行こう行こうと思いながら、日々の忙しさに埋もれてうっかり見逃しそうになってしまいました。
それで、今日はやらなければいけないこと全てに目をつぶって、午前中にすっ飛んで行きました!
「大竹伸朗 全景1955−2006」展

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世の中、マメに個展や美術館などにお出かけのかたも多いようですが、私はあまり行ってない.....。人気が
あっても、ど〜んよりとしてちっともお神輿があがらない...。
どうしてなんだろうなぁ、とそのことをコンプレックスに思っていたのですが、最近の自分の様子を見てい
たら、小さな展覧会情報で突如ひらめいたように体が反応、「これ絶対好きに決まってる!」と、ロケット
噴射で飛んで行くこともたびたびあるとわかりました。オツムではなく、体の細胞が反応しないと行かれな
いのでした。
そういうわけで、今まで熱心に個展.展覧会を観に行かれなかったのは、好きじゃないものだったからなの
ね、なぁんだ。
自分の気持ちが「死んだようになった」のかと、ずっと心配していました。
ただ話題だから、よいという評判だからと行くと、刺激を受けるどころか、エネルギーを失ってしおれてし
まう弱〜い人間なのです。「コレガ イマノ ニホンノ ビジュツカイデ ウケルモノナノデスネ?」...す
ごい疎外感、と。

今日の「大竹伸朗」は、私の家からは往復も時間がかかるし、東京都現代美術館(MOT)自体が大きくて広
いので、作品が体に合わなかった場合、ものすごーーーーく疲れてしまう....と心配していました。
だって、MOTのフロア三層全部使っての膨大な量の作品なのです。展覧会も12月24日で会期を終えるとい
うのに、カタログ(約1100ページ!!)ができていないんですよん!

だがしかし、杞憂でありました。いや〜〜ん、観れば観るほど足取りも軽くなってニコニコしてしまいま
す〜♪

描くって気持ちいいっ。手でぐしぐし描いたり、貼ったり、つくったりするのって、滅茶苦茶気持ちいいで
す。その「痕跡」を観るのもキモチいいーーーー♪

日本の狭い、閉じた、湿った、美術の世界の話とは無縁の世界。

<大竹伸朗、雑誌「ARTiT(季刊アートイット)」第13号の対談からの抜粋。>
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.....いまは、なるべく汗をかかず、手の痕跡を残さず、広いギャラ
リーに2点だけ作品展示、なんていう方が流行なんですかね。そんな
方向に対してどんどん逆行していってる。..........何かをつくる側の
人間と、言葉で説明しようとする側の人間とで反応が分かれる展覧
会になるようにも思います。

——大竹作品は、その大きさ、密度や厚み、匂いや線の持つ生の力
があって、それは実際に実物を観ないとわからない。

「この人はこういうことを考えてるわけですね」を理解するためだ
けに美術展に行くのは少し違う気がします。特に現代美術のそうい
う展覧会は、自分でもあっという間に飽きて外に出ちゃうし。それ
ならゴッホのドローイングを観ている方がよほど勉強になります
ね。でも一方で、いま生きている人がつくるものを、やはりいま生きている自分が観たいとい
うのが強くあります。昔の名作だけでいいなら、生きていく興奮も湧かないし.....。このドン
づまりの状況でどれだけのモノをつくり出していけるか、それには燃えます。進行形だからこ
そ、といった意味を持つものが絶対にあると思います。


もう会期もあと僅かですが、まだの方は是非。矛盾することをいうようですが、好きでも好きじゃなくても
みんな観たらいいな、なんて思います。
展覧会のカタログ、予約してきました。約1100ページのやつ。
(詳細は「大竹伸朗 全景1955−2006」展公式HPをご覧ください。)
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by kadoorie-ave | 2006-12-20 01:18 | 映画・音楽・ART・WEB | Comments(10)
Commented by greenagain at 2006-12-20 01:37
カタログが!爆笑しました。
そうですか、そのようなご感想でしたか。
「広いギャラリーに2点だけ」、オスマシ~、(解釈は作者の俺に聞きに来い!)みたいな作品、たくさんありますもんね。
そういう作品はウキウキこない場合が多いです。
年末の慌しさに行くのを断念しかかってました。
なんとか行くように頑張ってみます。
ライブ観ある記事、有難うございました!
Commented by kadoorie-ave at 2006-12-20 07:05
>greenagainさま
カタログ、重さはなんと6キロです。予約の人には、2〜3000円安いはず。
展示は作るパワー、描くことの楽しさが伝わってきて思わず笑っちゃいます。
でも、少しも押し付けがましくないし、暑苦しさもないところがいいところ。
対談が載っている雑誌もいくつか買いましたが、一言一言が共感でき
もっと自分の世界をふくらまそう!っていう気になります。
切羽詰まって慌ただしい時期だけど、行って損はしません!ほんとです。
Commented by fuRu at 2006-12-20 09:50 x
とんでもない展覧会だとは風の噂で聞いていましたが、すごそうですね。それよりもここの記事を読んでいると実に楽しそうです。
しかーし、残念ながらいけそうにありません。(-_-)
といいながら、今日は新宿までレイトショウの映画でも見てこようなんて思っていますが・・・・。(^^;)
Commented by たんげ at 2006-12-20 10:19 x
そうそうそうです。

>大竹作品は、その大きさ、密度や厚み、匂いや線の持つ生の力
があって、それは実際に実物を観ないとわからない。

そういう作家じゃないと、私も見にいかないです。もう。
映画もしかり。ライブもしかり。

そこで見る、その映画館で見る、そのライブ会場で聴く価値があるか、って思うと、そんなにわざわざ行きたいものなんて
数限られますよね。

大竹さんの展覧会は、2度見ても楽しかったです。

時代に流されず、基本的には子どもの頃からやってる事は
ほとんど変わっていない、そして
お金だけじゃ動かない(多分)
こんな大竹さんが世間で評価されてるのが
私はとてもうれしいです。
Commented by nimunimu at 2006-12-20 14:33 x
ウキウキ感と楽しさがすごーーーく伝わってきて、思わず観に行きたくなっちゃいました!
忙しくても疲れていても、こうやってパワーをもらえることに出会うと
「おっしゃーーーっっ!」って気になりますよね☆
それにしても・・・カタログが6キロって!もし会場で手に入れることができていたら
帰り道はちょっとしたトレーニングになっていたかも???
Commented by polepolephoto at 2006-12-20 15:35
はじめまして。
ネームカードのマイランキングから来ました。
イラスト描いてらっしゃるんですね。
HP拝見させていただきました!
手書きの優しいタッチが印象的でとってもかわいらしかったです。
東京は大きい展覧会がたくさんあっていいですね。
といいつつ、いざ近くであってもぼくもなかなか腰があがらなかったりします笑
Commented by kadoorie-ave at 2006-12-21 08:26
>fuRuさま
新宿でのレイトショーはご覧になれましたか?
年末でみんな走り回っている時に「もうすぐ終了だから是非行ってみて!」なんて
書くのもどうかと思ったんですが...
あまりに心地よい刺激だったので.....つい。
Commented by kadoorie-ave at 2006-12-21 08:45
>たんげさま
誤解されそうですが、私は「大竹伸朗全景」を見て、なんちゅー「お馬鹿さん」なんでしょ...と
笑ってしまいました。一応最高の褒め言葉のつもりなんですけど。
インタビューを読むと、鮮烈なデビュー後、この20年は結構苦労していたみたいですね。
「いろいろ御託並べてるけど、じゃああんた、きょう作品何点作ったのか?」という
大竹伸朗の人々への問いに、
そーだよな。周りの声にフラつかないで、ただただ作ろうという思いを新たにしましたです。
大竹伸朗の作品の群れからは、「いま現代美術にとって云々...」ではなく
「描き手」「作り手」からの気持ち・気分・言い分がドッカーンと伝わってきました。
描いている時の手触り、作っているときの瞬間瞬間の自分の感覚....幼い時から感じてきた
そういうものの大切さを再認識した日でした。
Commented by kadoorie-ave at 2006-12-21 09:03
>nimunimuさま
一事が万事、カタログ(1100ページで6キロ!)と同じような調子。
それも、なにもハッタリではないところが最高でした。
美術館の側のノリがすてきだったともいえますよね。だって生きている人の「個展」ですもん。
作品出す大竹伸朗側も、美術館側もかわいいおたんこなす状態でした。
午前中に入ったのに、出て見たら外がもう暗かった....仕方なくサラッと見たつもりだったのにな。
Commented by kadoorie-ave at 2006-12-21 09:35
>polepolephotoさま
はじめまして、ようこそおいでくださいました!
HPまで見てくださってありがとうございます。
本当はpolepolephotoさんのような、気持ちにじんわり残るような写真を撮りたいのですが
何を表現するかというモンダイではなく、ちゃんと撮れてないじゃん!!という
初歩的なモンダイのところをうろついています。
私も京都で気になる展覧会をやっていると、歯がゆい思いをしてうらやましがっているくせに
いざ東京で良さそうな展覧会をやっていても、大抵見逃しています....。
来ている人々が妙にスノッブだったり、ヘンな高揚感で生き生きしていたりするのを見て
そっちで疲れてしまうのもありますが。
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