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街の灯りがとてもきれい...ならいいな。

出かけると、街のあちらこちらで、節電のため工夫をこらして電気を消しています。地震の直後か
ら、以前よりは格段に暗くなりました。けれども、これで案外悪くないような気がします。
こういうのをどこかで見たような...そう、ヨーロッパの街みたいだ、と思ったひと、多いみたいで
す。twitterでデザイナーの原研也さんもそんなことをつぶやいていたっけ。ヨーロッパだけではあり
ませんよね。夜景を誇る香港だって、メインストリートから一本入っただけで、結構な薄暗がりの通
りになります。あれ、いいなぁ。私は香港のギンギラの明るさを好いているのではなく、ぼんやり暗
い路地と、そこにある人の暮らしのにおいが感じられるところが、好きです。

別段、コンビニは真夜中にまでビーム照射かと思うほど煌々と輝いていなくていい。自動販売機も、
あそこまで明るくなくていいです(←都のだれかさんに言われて自販機を規制するのはいやですけれ
ど)。全部が全部明るいこと、やたらに便利を追求することは、「豊か」ということの証しではな
い。

とはいえ、応急処置的に電灯を消してしまったため、今、足りないものは、街全体で計算された『美
しさ』ではないでしょうか。それに、暗すぎて足元があぶなっかしい階段や、よく見えない表示も多
い。

...というわけで、今の私が(心の中で切に)願っているのは、節電モードにおさえたまま
街の灯り全体をデザインし直せたらいい
のに...っていうこと。
街を根本から
  「今までより暗いけれどそれを感じさせない美しいバランスの照明」で
  「安全のための要所要所は満足いくように照らす
というふうにできたらどんなにいいだろう。

ひたすらどこもかしこも明るいなんて、大体が日本の文化でもないはず。パリのレストランじゃない
けれど、女の人が美しく見える灯りになったらいいのに♪(男のひとの精神にも必ずやよい影響があ
るはず。)女のひとが、青ざめて疲れたように見え、シワが一層深く強調されるような光はご免だ。

人間には美しさというビタミンはいつだって必要だし、美しければ満足できること、我慢できること
ってまだまだたくさんある...よね?




by kadoorie-ave | 2011-04-29 23:55 | 住むこと暮らすこと
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