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仙花紙の少女小説

谷根千散歩の本屋の話で思い出したこと。

母の少女時代の本がいくつか手許にあります。
私が中学生の頃、祖母の家の物置で見つけた本の数々。
どうやら、母が中学校1〜2年のころに読んだのでしょう。

紙は仙花紙、ザラザラで小さな穴がそこかしこに開いている紙です。
昭和22年頃なので、まだ丈夫できれいな紙が不足していた時代だと思います。
裏表紙や本の中に、万年筆で書いた母の書き込みが。
「この御本はとても良い本です I like this book. コスモス」....
当時仲良しのお友達とコスモスさん、すみれさんと花の名前で呼び合っていたそうです。
うーんとロマンチックです。

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小さい頃、「やーい、あんな大きな犬の尻尾など
踏めないだろう」と囃され
「そんなことないわよ」とばかりに
思い切り踏んで噛み付かれた人とは 思えません。

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「学校の花」 川端康成 著 中原淳一 画
   昭和二十二年六月二十日増補版發行  
   定価三十三圓 
  發行所 湘南書房(東京都千代田區飯田町二ノ一)
・・著者といい挿絵の画といい、豪華なメンバーです。
グラビアページにあたるのか、挿絵のページはちょっといい紙になっています。

私も母と同じような年頃に、母の古い少女小説を読みふけっていたので
気がついたら、妙に「旧漢字」「旧仮名遣い」好きになっていました。
(知識として詳しいのではなく、美しいと思ったのです)

余談ですが、香港が好きな理由の一つは、
町中にこの旧漢字の文字が溢れていることです。
(中国国内の簡略化された簡体字に対して繁体字、というのですが
書くとなると、画数多くて大変です・・・)

その他のいくつかは、また明日に。
by kadoorie-ave | 2006-03-12 23:53 |
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